内視鏡検査・処置

 目には物を見るという機能があり、動物が活発に活動するために非常に重要な器官です。また、アイコンタクトというように、目は人と動物を繋ぐ重要なコミュニケーションツールでもあります。目の疾患は直接命に関わる事は少ないものの、健康な目は生活の質(QOL)を維持するために非常に重要になります。

角膜潰瘍

【角膜潰瘍】
 角膜に傷ができた状態です。上皮の欠損から実質に至るもの、時には眼に穴が開いてしまう事もあります。小さな傷でも細菌感染を起こすと、1日で急激に悪化する事があります。穴が開くと失明してしまう危険があります。通常は痛みを伴い、しょぼつき、流涙、結膜の充血、角膜の濁りなどの症状がでます。
治療は外科手術、眼瞼縫合、点眼、内服などがあります。悪化要因である細菌感染の制御と傷の修復に必要な眼表面の環境を整える事に気をつけています。

眼瞼縫合

【眼瞼縫合】
 上下の瞼を部分的に細い糸で縫い合わせます。傷の部分を瞼で覆う事で、傷の保護、痛みの軽減、涙液成分による修復促進の効果があります。隙間から傷の状態を見たり、点眼治療したりもできます。物を見る事もできます。傷が良くなったら糸を外して元に戻ります。

【白内障】
 眼の内部の水晶体という部分に濁りが出る病気です。視覚が維持される核硬化症とは区別されます。遺伝素因がある犬種、外傷、糖尿病などが原因となります。トイプードル、シーズー、ヨーキー、アメリカンコッカーなどが好発犬種です。
 治療には外科手術が必要です。手術ができない場合でも放置するのは危険です。水晶体物質が溶け出す事によるぶどう膜炎、緑内障、網膜剥離を起こし、多くは痛みを伴います。極力リスクを抑えるため、継続的な観察、治療が必要です。

眼科検査

【対光反射】
眼に光を当てた時に瞳孔が閉じるかをみます。対光反射があれば視覚があるという訳ではありませんが、網膜、視神経、虹彩などの機能を調べる事ができる検査です。

【威嚇瞬き反応】
眼の前に手をかざしたり、物を近付けたりして、瞬きするかを見ます。視覚があれば瞬きをしますが、若齢の子、緊張している子では見えていても反応しない事があります。反対に、見えていなくても、手をかざした時の風を感じて瞬きする事もあります。

【眩惑反射】
眼に強い光を当て、眩しさで目を閉じるかを見ます。網膜、視神経、などの機能を調べる検査です。

【シルマーティアーテスト】
専用のろ紙を瞼に挟み込み、涙液の分泌量を調べます。涙の液状成分が不足する乾性角結膜炎の診断に用います。

【眼圧検査】
眼圧計を使って眼の中の圧力を測ります。眼内圧は、毛様体からの房水産生と隅角からの排泄でバランスをとっています。ぶどう膜炎では眼圧が下がり、緑内障では上がります。高過ぎても低すぎても良くない状態です。

【フルオレセイン染色】
蛍光の緑色の色素を目につけて、角膜・結膜の上皮が欠損した部分を染め出します。つまり、傷の部分を検出します。通常では見つけられない細かな傷を発見できます。

【眼底検査】
倒像鏡を使って、眼の奥の網膜、血管、視神経乳頭の形態を調べます。

【スリットランプ検査】
手持ちの拡大装置を使って、眼表面、前房内の詳しい観察をします。肉眼では確認が難しい細かな異常を発見できます。

【超音波検査】
超音波を使い、眼球内の構造を調べます。出血や目の濁りで眼内が見えない時に有効です。網膜剥離、眼内腫瘤などが検出可能です。

【細胞診】
角膜潰瘍、結膜充血などの時に、毛先の細いブラシで患部から細胞を採取し、顕微鏡で観察します。炎症細胞や細菌感染の有無を調べます。

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